トラウマ脱出の勧め

gifアニメのイラスト:頭の上にひらめきが出現

収益改善の成功は、トラウマ脱出にかかっています。楽観・悲観の分かれ道は単純です。事業収益が低迷したとき、あなたならどうするでしょうか。今の事業は儲からないので、活路をほかに求めるのも一つの方策。そうではなく、今の事業の問題を解決すれば収益改善の道はあるはずと考えることもできます。

*トラウマとは、過去の強い心理的な傷がその後も精神的障害をもたらすこと

アフリカへの靴売りジョークをご存じでしょうか。よく知られた話です。アメリカンジョークのようですが、どこで読んだのか覚えていません。楽観的セールスマンと悲観的セールスマンが、アフリカの奥地に靴を売りに行く話です。現地で見た光景に、二人とも呆然とさせられました。その後の、悲観的セールスマンの報告です。「誰も靴を履いていない。これじゃ売れるわけがない」。彼はまもなく、帰国してしまいました。

次は、楽観的セールスマンの報告です。「誰も靴を履いていない。靴の良さを分からせれば売り放題だ」。さっそく、セールスを始めたのです。

成功のつぼは、トラウマ払しょくにあると思います。物事のとらえ方は人それぞれです。いろいろな経験を積んだ人生で、潜在意識に植え付けられた何かで解釈のしかたも変わります。否定的にとらえると、やる気が出ないうえに効果的な行動を取ることもなくなるでしょう。しかも、自分の見た状況判断だけで、あきらめてしまうことが多くなります。最初から駄目だと決めつければ、成功はあり得ないはずなのにもかかわらずです。

ある意味で、収益改善はアフリカへの靴売りと同じ状況と見ています。製品アイテムに赤字が発見されたときも同様です。製品アイテムの25%が赤字のメーカーを対象としましょう。従来から同じと見過ごすか、それとも赤字は異常と考えて何らかの対策を打つのかです。最近の事例では、放置されたままでした。

gifアニメのイラスト:光る電球

収益改善には、低位安定トラウマ志向脱出が欠かせません。単品赤字の解消に取り組み、実現したメーカーも実際にあります。あきらめずに取り組み続けた結果です。「あきらめない」これがトラウマ脱出のキーと小生は信じています。

また、営業利益の水準にも同じことが言えるでしょう。日本の製造業の営業利益率は、4%程度が長らく続いてきました。法人企業統計による製造業の営業利益率は、1989年のバブル経済期でも5.0%です。景気変動により若干上下しますが、米欧企業に比べ低位安定しています。この低位安定を当たり前と考えるか、より高くする余地ありとするかの違いは大きいはずです。小生は、営業利益率の水準を15%以上めざして欲しいと心から念願しています。

営業利益率の推移詳細は、小生Webサイトの収益改善講座「収益力が低い日本企業」をご覧下さい。

本収益改善講座1の内容は、拙著「収益改善の教科書」をベースにしたものです。ただし、拙著で触れていない部分もかなりあります。主に、投資なしで取り組み可能な課題に限定した収益改善策の紹介です。

(20141120 12:10改訂)

(文字数 8543,7426(空白除く),漢字37%、513行(40字/行),原稿用紙26枚,テキスト14.3KB)


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